不動産を相続したら
土地や建物など不動産を所有している人が亡くなった場合、相続人等に名義を変更する所有権移転登記手続きが必要となります。
亡くなった人の名義のまま放置されているケースがありますが、たとえばその後不動産を売却しようとする場合にはこの相続登記を省略することはできません。
また、なにより本来の相続人にさらに相続が発生した場合には、相続人の数も増え権利関係が複雑となり、名義を変更するのに多大な費用と時間を要することになります。
どうぞお早めに相続登記をされておくことをお勧めします。

相続登記のご案内
当事務所では、遺産分割協議書の作成から戸籍謄本等のお取り寄せ、そして相続登記手続きに至るまでまとめてお任せいただけます。
 特にご自分で必要な戸籍を全て揃えるのはなかなか手間のかかる作業です。
また、「遺産分割協議がまとまらない」「相続放棄をしたい」「行方が分からない相続人がいる」など相続に関する様々な問題についても承っております。
相続登記が必要な方、相続に関する問題でお悩みの方、どうぞお気軽にご相談ください。

相続とは…
ある人が死亡した時に、一定の親族関係にある人が死亡した人の財産上の権利を当然に承継することです。この財産を承継する親族がいわゆる「相続人」です。
相続人及びその相続分は、下記のとおりです。

 相続順位

 相続人

 相続分

 1番目

 配偶者と子

 配偶者2分の1、子2分の1

 2番目

 配偶者と直系尊属

 配偶者3分の2、直系尊属3分の1

 3番目

 配偶者と兄弟姉妹

 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

※ 直系尊属とは、父母・祖父母などのことです。直系尊属が相続人となる場合、親等の
近い方が相続人になります。
※ 子、直系尊属、兄弟姉妹が複数名いる場合は、各自の相続分は均等割合となります。万 
が一、子又は兄弟姉妹が相続の発生する前に死亡していたときは次のとおりです。これを代襲相続と呼びます。
◇子が死亡していた場合
孫が相続人になります。さらに孫も先に死亡していた場合、ひ孫がいれば、ひ孫が相続人となります。
◇兄弟姉妹が死亡していた場合
その子が相続人になります。しかし、さらに子も死亡していた場合、子の子つまり兄弟姉妹の孫は相続人にはなりませんので注意が必要です。

相続の承認と蜂起
法律上、被相続人の死亡によってその権利義務を相続人に承継させるとともに、後に相続人がこれを拒否する自由が認められています。これが相続の承認と放棄です。
1.単純承認
最も一般的な相続の方法です。被相続人の財産上の権利・義務の一切を承継します。
特別な手続きをする必要はなく、相続発生後3ヶ月以内に相続放棄や限定承認をしなければ単純承認したものとみなされます。
また、相続財産を処分したり、隠したり、消費した時も単純承認したものとみなされます。
2.限定承認
「被相続人の有していた財産の範囲内で負債を返済し、相続人固有の財産において返済する責任は負わない」という条件で相続を承認する方法です。
相続人全員が相続発生後3ヶ月以内に、財産目録を家庭裁判所に提出し、限定承認の申立てをしなければなりません。
合理的であるように思われますが、非常に手間と時間がかかるうえ、相続人全員でしなければならないため、あまり利用されていないのが現状です。
3.相続放棄
被相続人の財産上の権利・義務の一切を放棄し、初めから相続人でなかった効果を生じさせる手続です。
相続発生後3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければなりません。被相続人の有していた財産よりも負債の方が多い場合には、この方法を取るのがよいでしょう。
しかし、第1順位の相続人が相続を放棄した場合は、第2順位、第3順位へと相続人が代わりますので、場合によっては相続人になる全ての方が相続放棄をする必要があります。

遺産分割
不動産を含め被相続人の財産について、どの財産を誰のものにするのかを決めることです。遺言がなく、相続人間での協議によって遺産分割を行う場合、次の方法によって財産を分けることができます。
1.現物分割
遺産を現物のまま、例えば「A家屋は長男、B土地は妻が相続する」というように配分する方法です。遺産分割の方法としては、最も一般的な方法です。
2.代償分割
ある相続人に、遺産を取得する代わりとして他の相続人に債務を負担させる方法で、例えば「A家屋とB土地を長男が相続するが、その代わり他の相続人に対して300万円ずつ支払う」というように行います。
3.換価分割
遺産を売却して、その売却代金から必要経費を差し引いた残りのお金を分配する方法です。売却する遺産が不動産の場合人は、いったん相続人名義へ相続登記をしてから、買受人名義へ所有権移転登記をする必要があります。

※ 遺産分割協議をするには、相続人全員で行う必要があります。一部の相続人を除いて行った遺産分割協議は、原則として無効です。しかし、例えば相続放棄をした人は、初めから相続人ではなかったものとみなされますので、遺産分割協議の当事者にはなりません。
その他、遺産分割協議に関して事案によって様々な問題がございますので、お気軽にご相談下さい。

相続登記はいつまでにすれば良いのでしょうか?
「相続登記はいつまでにすれば良いのですか?」というご質問をよく戴きます。
相続税が課税されるケースなどの一部のケースを除き、いつまでにしなければならないという決まりはありませんが、長年放置しておくと次の相続が発生して相続人の数が増え、遺産分割の話し合いが難しくなる場合などもあります。相続が発生したら相続登記は早めにしておきましょう。

遺言書があるか否か
相続が発生したら、まずは、故人が残した遺言書があるかどうかを確認しましょう。遺言書がある場合には、その内容に従って登記をすることになります。
 なお、遺言書が公正証書ではなく自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所の検認手続が必要です。それまでは開封しないで下さい。

遺言書がない場合
遺言書が無い場合は、民法という法律で定められた法定相続人が、同じく民法で定められた法定相続分に従って相続した状態になっています。これと異なる相続をするには、法定相続人の全員で遺産分割協議をする必要があります。
(法定相続人と法定相続分)
第1順位 配偶者1/2 子供1/2 子供がいる場合
第2順位 配偶者2/3 親 1/3 子供がいない場合
第3順位 配偶者3/4 兄弟1/4 子供も親もいない場合
※ 配偶者は常に相続人となります。 配偶者がいない場合は他方のみの相続となります。


遺言について
ご自分の死後に、ご自分の遺産が原因で親族等が辛い思いをすることほど悲しいものはありません。遺言は、ご自分の財産をご自分の希望通りに処分できるといった権利ではありますが、財産をトラブルなく次の世代へ引き渡すことは、財産を持つものの義務でもあります。当司法書士事務所では、お客様のご希望を大切にしながらも、あとで問題が起きないような内容の遺言書を作成するお手伝いをいたします。

遺言が必要な場合
次のような場合に、遺言の作成をおすすめします。
• 同居の子に自宅を相続させたい。
• 家業の承継者に事業用の資産を相続させたい。
• 子供がいないご夫婦の場合。
• 相続の権利のない孫に遺贈したい。
• 内縁の夫・妻など、法定相続人以外に相続させたい。
• 家族はいないが、世話をしてくれた人に遺産を遺贈したい。
• 障がいを抱えているなど、特に援助したい子供がいる。
• とにかく、自分の死後に相続人同士が遺産分割協議で争わないようにしたい。

遺言書の種類
自筆証書遺言
遺言者本人が、全文・日付・氏名等のすべてを自筆で書きます。本人の死亡後に、家庭裁判所の検認が必要ですので、相続人等にとっては少し面倒です。形式不備があると遺言が無効になってしまうこともあるので、注意が必要です。

公正証書遺言
遺言者が公証人に口述し、公証人が筆記して、遺言者と証人に読み聞かせて作成します。家庭裁判所の検認は不要です。公証人が手続に関与するので、形式不備の恐れも無く安心です。 証人2名が必要です。
 当事務所では、確実に遺言が残せて財産を承継する人に負担が少ない、公正証書遺言の方をお勧めしております。

遺留分について
例え遺言を残したとしても、民法には遺留分というものが定められており、一定の相続関係にある人(兄弟姉妹以外)には最低限の取得割合が保護されていますので、これに反する遺言は、後にその人に遺留分減殺請求をされると、その範囲において遺言は影響を受けます。なお、遺留分権利者は、相続の開始前でも、裁判所の許可を得れば遺留分を放棄することができますし、遺留分滅殺請求は、相続開始及び、遺留分を侵害する遺贈・贈与を知った時から1年で消滅時効にかかります。

遺留分の割合
父母・祖父母のみが相続人となる場合 相続財産全体の1/3
上記以外の場合  相続財産全体の1/2

これに、各自の法定相続分をかけたものが、各自の遺留分です。
例として、妻と子が2人いる場合は、
妻の遺留分 1/2×1/2=1/4 妻は1/4
2人の子 1/2×1/4=1/8 子は各自1/8

となります。この遺留分が侵害されている場合には、遺留分滅殺請求の対象となります。
 遺言作成の際には、遺留分権利者から減殺請求されてトラブルにならないように、遺留分権利者に対するケアも考えて内容を決めた方が良いでしょう。


遺言のすすめ

相続に関する問題で一番多いのが、遺産分割に関する紛争です。

争いにこそならなくとも、相続人間でなかなか話し合いがまとまらず、例えば不動産の名義が亡くなった人の名義のまま放置されてしまうケースが多々あります。この一番の原因は、亡くなった人の意思が分からないことです。これは仲の良いご家族を含め、誰にでも起こりうる問題です。

そこで、最愛のご家族に無用な争いを起こさせないためにも、遺言を残しておくことをお勧めします。

また、遺言を残しておこうという気持ちがあっても、どうしても「いつか死ぬまでに」とつい考えがちです。しかし、死期が迫ってからの遺言は時としてその効力が争われたりします。健康で意思能力が十分ある時に作成しておきましょう。


特に必要な場合

次の場合は、特に遺言を残されることをお勧めします。

 1.内縁の妻(または夫)や配偶者(夫や妻)の連れ子に財産を残したい場合

   例えば内縁関係にある妻は、どんなに長く生活を共にしていても相続人とはなりません。配偶者の連れ子も同様です。

   したがって、内縁の妻や配偶者の連れ子に財産を残したい場合には遺言を残しておきましょう。

2.生前とくにお世話になった人に財産を残したい場合

長年お世話になった人に財産を残したい場合でも、その人が相続人でない限り遺産  を相続する権利はありません。しかし、遺言を残しておけば実現することが可能です。

 3.夫婦間に子供がいない場合

   夫婦の間に子供がいない場合、相続人は妻(または夫)と親、もしくは妻(または夫)と兄弟となります。例えば、相続人が妻と兄弟の場合で、さらに兄弟の中で既に死亡している人がいるとその子供(甥や姪)が相続人となります。

   こうなると普段交流の少ない親族が遺産分割に加わることとなり、話し合いがスムーズにいかないケースがあります。

4.子供同士が不仲など、相続人となるご家族同士の仲が良くない場合

   このような場合には将来の紛争を未然に防ぐためにももちろん遺言を残しておいたほうがいいでしょう。

   特に音信不通で行方不明の子供などがいる場合には、後日の調査や手続きに費用

  と時間を要することになります。


遺言の種類

一般的に遺言を作成する場合の普通方式による遺言書作成には次の3つの方式があります。

1.自筆証書遺言

遺言者自ら自筆で記載する遺言です。あくまで自筆ですので、タイプやワープロは認められません。費用もかからず、ご自身で簡単に作成できるという長所があります。

しかし、民法に定める方式に従わなくてはなりません。これに反すると、無効になる可能性がありますので注意が必要です。また、他の方式に比べて偽造や変造、毀損の虞が大きいといえます。

2.公正証書遺言

公正書証によってする遺言です。公証人が関与するので、その分コストはかかりますが、法的に要件を満たさず遺言が無効になることは通常ありません。また、作成後、原本は公証役場で保管されますので、偽造や変造、毀損の虞がないこともこの方式の長所です。

3.秘密証書遺言

遺言者自ら作成した遺言書に署名・押印し封印したものを、公証人に公証してもらいます。自筆証書遺言と違い、署名があれば、遺言自体は自書でなく例えばタイプやワープロであっても認められます。内容を秘密にできるうえ、遺言の存在を明確にできる点が長所です。

しかし、遺言自体は自身で作成し、公証人はその内容について関与しませんので、自筆証書遺言同様、遺言の要件を理解していないと無効になる可能性があります。また、公証人に提出の際に証人二人の立会が必要です。



当事務所では、ご依頼人の意向を伺ったうえで遺言方式を決定するところからお手伝いさせていただきます。


遺言書作成手続きの流れ

1.遺言作成のご依頼

まずは、お気軽にご相談ください。

ご都合のいい時にご来所いただくか、こちらからお邪魔させていただいてお話を伺います。

2.お打合せ

ご希望の遺言内容をお聞かせいただきます。もちろん秘密は厳守いたしますのでご安心ください。また、打合せのうえ遺言方式を決定します。

3.原稿のご確認

遺言の文案を作成し、ご案内いたします。ご意向どおりの文案になっているかどうか、確認をしていただきます。

4.遺言書の作成

公正証書遺言の場合:一緒に公証役場に行き、または公証人に来てもらい、公正証書遺言を作成します。遺言の内容を確認のうえ、ご本人、証人、公証人が署名押印します。

自筆証書遺言の場合:ご本人に自筆で清書していただきます。

5.遺言の完成

公正証書遺言の場合:公正証書遺言の原本は公証役場で保管され、正本が交付されます。

自筆証書遺言の場合:封をしていただいたうえ、ご自身で大切に保管していただきます。


遺言書

 一般に遺言とは、死後のために物事を言い遺すことです。


遺言の必要性

自分の子供たちは昔から仲良しで、そんなことはあり得ない、と言われる方も、トラブル防止に遺言は必要です。子の配偶者その他の人々が、微妙に関与してくることがあるのです。転ばぬ先の杖です。紛争予防に極めて有効な手段として遺言を活用しましょう。特に次のような場合には遺言書の作成をお勧めします。

子供、親がなく、残る配偶者にマイホームその他の遺産を残したい

個々の遺産をそれぞれ個別に相続人に確実にひき継がせたい。

特に、農地や稼業の店舗を特定の相続人へ引き継がせたい場合など。

子供を認知しておきたい。

生前中は家族には秘密にしておいたが、その子供の将来のためにきちんとしておきたい。

虐待を受けたので、その相続人を相続人の地位からはずしたい(相続人の廃除)。

相続人以外の人に財産を贈与したい、慈善団体に寄付したい。

次のようなことも、遺言で意思を伝えることができます。

遺産分割を凍結すること(5年以内)

祭祀の主催者(お墓を守っていく人)を指定しておくこと

遺言執行者を決めておくこと

遺留分減殺方法の指定、特別受益の持戻し免除、等

遺言書の作り方


1.普通方式

(1)公正証書遺言

証人二人以上の立会いのもとに公証人が遺言書を作成します。

偽造・変造等のおそれはなく、公証人が内容を確認しますので、後日無効になる心配もありません。また、他の遺言方法と異なり、家庭裁判所での検認手続きが不要です。

最も安全で確実な方法といえます。通常は、公証人役場に遺言者が出向いて行いますが、病気などで行けない場合は、公証人の方が、遺言者のもとに出向くことも可能です。

(2)自筆証書遺言

便箋など適宜の用紙に、遺言の内容全文・日付・氏名を自署し、押印することが必要です。手軽に作成できますが、後日、自署や内容の解釈で問題になったり、偽造・変造・滅失・隠匿・未発見のおそれがあります。また家庭裁判所で検認手続きを受ける必要があります。

(3)秘密証書遺言

内容を記載した遺言書(自筆である必要はありません)に遺言者が署名押印し、封筒に入れて封印し、公証人と証人二人以上に提出してその確認を受けます。実際に利用される例はあまりありません。

2.特別方式

(1)危急時遺言

病気やその他の事由で、死亡の危急に迫った者が遺言するときに認められた特別な方式です。

(2)隔絶地遺言

伝染病のため隔離された場所にいたり、船の中にいたりなど、普通の方式の遺言が困難な場合に認められた特別な方式です。